
僕は「双極性障害」という精神疾患(精神障害)を抱えています。
今回はその「双極性障害」についてお話しします。
双極性障害とは?
そもそも双極性障害とは、気分が高まるする「躁状態」と、気分が低下する「うつ状態」を定期的に繰り返す精神疾患になります。
気分の波は誰にでもある事ですが、双極性障害の場合は、特に理由が無かったり、その度合いが極端な事が特徴です。
躁状態では周囲に迷惑をかけたり、社会的信用を失うほどの言動をしたりし、うつ状態では布団から出られなくなる、という具合です。
このような場合は、双極性障害の可能性があります。
双極性障害は、これまでは「躁うつ病」という名前で診断がついていたため「うつ病」の一種だと誤解されてきた背景があります。
現在も、双極性障害なのにも関わらず「うつ病」と誤診されてしまうケースも存在しています。
しかし、「双極性障害」と「うつ病」は全く別の疾患で、治療法もかなり異なります。
もし「うつ病」と診断されたけどなかなか治らず、気分の入れ替わりが激しい場合は、他の病院で診察を受けた方が良いかもしれません。
双極1型と双極2型の違いは?
双極性障害には種類が2つあります。
「1型」と「2型」です。
1型と2型の主な違いは「躁状態の激しさ」です。
双極性障害1型の場合だと、激しい躁状態を引き起こすのが特徴的で、それが理由で職を失ったり、家族関係が破綻したり、社会生活に大きな影響を及ぼすことが多くあります。
その一方で、双極性障害2型の場合は躁状態が軽い傾向にあります。
社会生活に大きな影響が出るほどではなく、本人が悩んだり、周囲から「気分屋だ」と思われるくらいで済むこともあります。
躁の症状よりもうつ症状が目立つため「うつ病」と誤診されやすく、慢性化することもあります。
アメリカ精神医学会の『DSM-5 精神疾患の精神疾患の診断・統計マニュアル』 では
(i)躁状態が少なくとも7日間つづく場合はI型、軽躁状態が少なくとも4日間つづく場合はII型とする。
(ii)II型の軽い躁状態では、社会生活の機能はあまりそこなわれないですむ。しかしI型の躁症状は、社会生活の機能を必ず障害し、問題になっていく。
と定義されています。
躁状態とうつ状態
双極性障害の具体的な症状としては
■躁状態
- 急に自分が偉くなったように感じる
- ハイになって興奮したり、怒りっぽくなって別人のようになり
- 睡眠をあまり取らなくても平気になる
- いつもより多弁になる
- 色々な考えが次々と頭に浮かぶ
- 後先を考えずに楽しいことに熱中する(散財や賭博など)
■うつ状態
- 一日中憂うつで気分が沈む
- 殆どのものに興味や関心がなくなる
- 眠れなかったり、寝過ぎたりする
- 話し方や動作が遅くなる
- 疲れやすくなり、疲労感が続く
- 「自分には価値がない」と感じる
などが挙げられます。
この他にも、躁とうつが合わさる「混合状態」というのも存在します。
躁とうつが切り替わる「躁転・うつ転」のタイミングがあり、そこで症状が合わさる場合があるのです。
例えば、気分が落ち込んでいるのに対して多弁だったり、不安と焦燥感の両方に駆られたりするような症状です。
混合状態では気持ちのコントロールがとても難しくなるので、特に注意が必要です。
治療としては、躁とうつの落差が大きくならないようにしていくことが大切になります。